Talking Rock!とShow must go on
2020年9月号の『Talking Rock!』に掲載された安田章大さんの特集を読んだ。
安田さんのインタビューを掲載してくださるのは3度目。
インタビューをしていただいた吉川さんは、ライブや舞台にも足を運んでくださっているようで、もっと言うと安田さんがプライベートで足を運ぶライブでお会いすることもあるようで、安田さんとの関係性が深く、それもあってか聞かれたことを、安田さんが話したいことを、よく言えば素直に、悪く言えば配慮なく話された率直なインタビューだった。
なかなかにシビアで、議論を呼びそうなこともありそうな、そんな内容だと思う。
でも不思議と「曝け出した」のではなくて「聞かれたから答えた」という素直すぎる印象を受けた。
安田さんの心は常々オープンだと思うけれど、良くも悪くも自分を繕うことなく自然に生きている人なんだなと。
そんなインタビューを読んだ率直な感想は、安田さんってかなりシビアに物事を受け止めているんだなということ。
19年2月号で特集を組んでいただいた時にも、安田さんはGR8ESTツアーを中止にしてほしいと自分からメンバーと事務所に言ったと明かしてくれた。
何度か話し合いの場を持って、メンバーの前で泣きながら中止を訴えて。
もしもやるなら自分は出ないと言い切って。メンバーも安田さんの身体と想いを受け止めてくれて中止と決めて、事務所にもそう言いに行ったと。
GR8ESTツアーに出るか、出ないか。
GR8ESTは関ジャニ∞さんにとってはいつものツアーではなかった。
すばるさんが脱退して、6人体制となる初めてのツアー。
メンバーにとっても、ファンにとっても、6人の関ジャニ∞としてリスタートを切ることになる大切な場所。
そんな想いは100も承知で、安田さんだってきっと出たくて仕方がない場所だったと思う。
けれどそれは同時に、病気の後遺症や腰と背骨の骨折…つまり自分の命やこの先の人生を賭けてでも出演するべきものか?ということだったと思う。
安田さんは、自分が風邪を引いて体調が悪くても、他の出演者や監督の体調が悪ければそれを隠して主役としてスタッフさんを盛り上げて後でトイレで吐いてたらしいし、収録で振られたら無理して食して後でトイレで吐いていたと聞く。
そんな無理しがちな安田さんが、大切なツアーであることを痛いほどにわかっている上で、自分の命と人生のために中止にしたいと訴えたという話で。
その時の事務所の意向は「赤字にしたくない」。
この言葉だけをとってしまうと、安田さんの天秤は命に傾いていたけれど、事務所の天秤はツアーに傾いたということ。
この時、安田さんの選択肢は2つになったんだろうなと想像してしまった。
ひとつは、安田さん抜きでツアーをすること。
もうひとつは、安田さんがツアーに出ること。
結果、ツアーはスケジュール通りに行われ、初日から最終日まで安田さんの姿はステージ上にあった。
私は想像することしかできないので、あまりに想像で言い過ぎてしまったけれど、本当はきっともっといろんな葛藤や悩みや争いや優しさや苦悩や意思があったと思う。
だって19年2月号でも日程を変更して大阪を初日にしようか?という案もあったと言っていたし、もしかしたら途中から参加するという選択もあったかもしれない。
究極の2択だけだったわけじゃない。きっといろんな選択肢があったと思う。
けれど大きなカテゴライズでは、この2択だったんだろうなと思う。
(全然余談にしたくないけど、病気も怪我も公表した上でツアーをすると発表した後、大倉さんがレンジャーで「1番大事なのは親友の命だから個人の意見としては休んでほしい」と仰ってくれたこと。村上さんが「何もないように」と祈ってくれたこと。背中をそっと支えてくれていたこと。横山さんが頭を撫でてくれたこと。酔った丸山さんがホテルの廊下で騒いで安田さんが目が覚めてしまったと知った時の「ごめん」も、錦戸さんがリハの時に安田さんの顔色を見て「休もうか」と言ってくれたことも。メンバーやスタッフさんが安田さんを守ろうと考えられる限りのケアをしてくれただろうこと。なにより安田さんが命がけでステージに笑顔で立ち続けてくれたこと。それがいいか悪いかは別として、この先も一生忘れない。)
今回のインタビューで安田さんは、事務所の意向もわかったし、ジャニーさんの”Show must go on”の精神も理解できたと言っている。
”Show must go on”
ー何があってもショーは続けなければならない。
ーショーでハプニングが起こっても何事もなかったようにショーは続けるべきだ。
これは幼い頃からKinKiファンだった私にはとても耳なじみがある言葉だ。
光一さんの舞台『SHOCK』の象徴となっている台詞。
私はジャニーズ全般に詳しいわけではないけれど、そんな私でもたびたびジャニーズのタレントさんから耳にすることがある。
これはきっとジャニーさんの精神、つまり、ジャニーズ事務所の精神の一つとも言えるのではないかと思う。
そして、こういう時に安田さんの口から”Show must go on”が当たり前のように出るのが、安田さんがジャニーズ事務所に長く所属している証だなとも思った。
だから、ここにきて初めて調べてみた。
まずこれは慣用句で「一度始めてしまったら、何があっても中止できない」という意味だと知った。
ではジャニーズではどういう風に使われてきただろうか?
すぐにファンの方のとても丁寧なブログに行き当たった。
読んでみると、ジャニーズの舞台で使われたのはどうやら少年隊さんの『PLAY ZONE’91 SHOCK』が最初のようで、これはQueenのアルバム『Innuendo』から影響を受けたようにも見受けられるとのこと。
そこから『SHOCK』、『Endless SHOCK』、『Johnny's world』といったジャニーさんが手がける舞台*1で使われている言葉であることがわかった。*2
それぞれの舞台における”Show must go on”の理由は、様々で。
・そこに待っているお客さまがいるから。
・怪我をしたメンバーが帰る場所を守るために。
・自分たちの夢のために。
・怪我をさせてしまったメンバーへ責任をとるために。
・ショーの最中にハプニングが起こっても観客にはわからないようにするために。
・立ち止まらずに新しいショーを作り続けなくてはならないから。
・走り続ける苦しみを伴ってもそこから表現を生み出せばより輝くことができるから。
・人々に幸せを与えるショーを作るために。
・世界を平和にするために。*3
・地球を青くするために。*4
(最後に関してはジャニーさんのトンチキワールド全開の舞台の台詞らしいので、疑問符だらけな方もいらっしゃるかと思います。が、そこは関ジャム先生からも教わった通り「そういうもの」として受け止めてほしい。私はそうした。)
舞台ごとにショーは続けなければならない理由があった。
これは私が”Show must go on”から受けていた印象とそう相違はなかった。
でも、今回の安田さんのお話はショーではない。
安田さんがここで無理をすることが彼の一生に関わってくる可能性がある、彼の人生の話だ。
Show must go onを調べているときに、ミュージカル舞台には「アンダースタディ」という言葉があるということを知った。
代役。
誰かにハプニングが起こった時に代理で出演できるように、ミュージカルには当たり前にある概念。
ミュージカルだけでなく、他のアイドルグループの中にも「アンダー」がいる。
常設劇場を持つ某グループはその公演にスケジュールが合わなくて出られない時にはアンダーが代役を務める。
また、リハに来られないメンバーに代わってアンダーが踊り、本番までにアンダーが振りや立ち位置をメンバーに教えることもあるらしい。
私は野球ファンでもあるけれど、プロ野球でもレギュラーが怪我をして出場できなくなったら2軍の誰かが昇格して試合に出る。
Jr.中心のJohnny's worldでもそういった概念がある(らしい)。
私にとって安田章大さんは代えがきかない存在である。
けれど、個から離れて安田さんのファン以外の方にとって、関ジャニ∞さんのファン以外の方にとって、事務所の方にとって、ジャニーズに興味のない方にとって、そういう集団として見たときに、1人の存在は代えがきかない存在だろうか。
アイドルに限らず、きっとそうではない。
プロ野球好きの視点から言っても、代えがきかない選手というものは確かにいるけれど、その選手が怪我をしたり引退したりしてもチームも試合もなくならない。
現状のメンバーで闘わなければならない。
ショービジネスとは、スポーツ界とは。いや、きっとどの世界でも。
ある側面から見れば世界はそういう風にできているんだろうな。
誰かにとっては代えがきかない存在だけれど、集団として見たときに代えがきかない存在はいない。
安田さんはきっとシビアにそういうことを受け止めている。
受け止めているけれど、それだけでないジャニーさんの精神と、事務所の意向やメンバーの気持ち、きっと一番はファンの気持ち。そんなことを総合的に判断して、「出る」と決めてくれた。
安田さんにとっての”Show must go on”の理由は安田さんにしかわからない。
きっと1つの理由だけでなく、総合的な判断だったと思う。
人生はショーではない。
それこそできることなら”Life must go on”な選択をしてほしい。
あなたが健康でなければ私はどんなショーを見せてもらっても苦しくて悲しくなる。
あなたの命と引き換えのショーなんて見たくない。
それならショーを見れなくても良いから安田さんに生きていて欲しい。
そんな風に1ファンの我が儘が顔を出す。
それでもGR8ESTでは安田さんはShow must go onを選択した。
そして、正しかったかどうかはわからないその選択の後、今、ジャニーズ事務所という場で自身の表現を続けることを選択した安田さんは、表現するための摩擦を恐れなくなったような気がする。
自ら企画を立ち上げた写真集『LIFE IS』もそうだし、今回のTalking Rock!でも後半では新曲『Re:LIVE』の音作りにかなり深く拘った話をしてくれた。
コストがかかるからジャニーズでは行っていなかったプリプロを提案したし、完成されたトラックダウンをやり直すように指示をしたと言っていた。
それはどれもこの曲をより深く伝えるための提案だったのだろうけど、当然、一部のスタッフさんとの間では摩擦が生まれたと言っていた。
この話を聞いたとき、そりゃそうだなと思った。
今まで1回で済んでいたレコーディングを、プリプロをやることで単純にそれに必要なスタジオ代や人件費といった分のコストが上乗せになる。
それにスタッフさんだって音楽のプロだ。
これまでの経歴、プロとしての信念みたいなものがある。
誇りをもってやった仕事に対して、突然、口を出される。
摩擦が生まれないわけがない。
メンバー曰く優しくて、気遣いの人である安田さんがそれをわからないはずがない。
『Black of night』の時は「衣装さんや監督さんに細かい設定や意味を伝えたけど、後はみなさんプロだから任せた*5」と仰っていた。
そんな安田さんだけど。
そんな安田さんだから。
摩擦を恐れずに、摩擦の先に生まれる信頼を信じて。
表現することを選択して、闘うことにしたんだなとわかった。
お金のこと、人を動かすということ、自らの存在価値
今回のインタビューでわかったことは、安田さんは自身がシビアな世界にいることを想像以上に深く理解しているということ。
その理解の上で、表現したいことを表現する方向へ舵をきったんだということ。
そしてもちろん、安田さんだけでなく関ジャニ∞さん全員が同じ意思をもって舵をとったこと。
MVやジャケットの打ち合わせ風景でも、当たり前だけど関ジャニ∞さんは全員この曲に込めた想いが一致していたように見えた。
だから、MVもジャケットも、その想いと方向が同じかを厳しく確認していたように見えた。
そうやって関ジャニ∞さんの意見をたくさん盛り込んでくれた結果、Re:LIVEは私たちの元に届けられた。
初動売上32.6万枚の記録とともに。
この結果は事務所やスタッフさんにとって及第点の数字だっただろうか。
いつもよりお金のかかるレコーディングをしてくれた。
メンバーの曲への意見をたくさん取り込んでくれた。
道半ばの47の映像をつけてくれた。
最初は難色を示したかもしれないけれど、安田さんの意見を、関ジャニ∞さんの総意を、きちんと汲み取って実行してくれた。
それは最終的に安田さんや関ジャニ∞さんを信頼した以外の何物でもないと思う。
数字は結果だ。
これだけ関ジャニ∞さんが自身を表現しようと意見を盛り込んだ作品の結果が、赤字で落第点だったら。この先彼らの表現が狭まってしまうのが怖い。
正直、インタビューを読んでぞっとしたのはそこだった。
CDを出すのは、ショーの世界は、エンタメは、キレイごとだけじゃない。
信念を持って闘ってくれたとしても、「口を出した結果、売れませんでした」だったとしたらそれは「あなたの考えはお金にならない=ファンが支持をしない(またはつかない)」ということ。
そして「次がない」ということにもなりかねない。
(だってもし私がスポンサーなら「特典盛りだくさん、音にも拘ったけど大赤字です」となったら、次の作品ではまず第一にコスト削減を考えるかもしれない。というか次は原資がない。厳しいけれどやりたいことをやるには売上はとても大切。)
ここまではっきりと「自分が口を出した」「お金がかかると言われた」「難色を示された」と答えたということは、安田さんは『Re:LIVE』の音楽に関して責任を背負ったということだ。
その怖さはきっとこのインタビューを読んだ私の比ではないと思う。
これで数字が出なかったら。
そんなことを考えなかったのだろうか。
たぶん考えたように思う。
衣装ひとつとってもファンから不評だったら責任は自分にあると言っていた安田さんだ。*6
考えないわけがない。
とてもシビアにいろんなことを考えて、それでも口を出すことを恐れなかったし、口を出したと伝えることを恐れなかった。
このインタビューがされた日付はわからないけれど、雑誌の発売日から考えると『Re:LIVE』の結果はまだ出ていない頃だ。
もしも数字が悪かったら、「ほら見ろ」と誰かに言われることもある。
そういうリスクもありながら、スタッフさんから難色を示されたことを話して「信念をもってやったこと。だから責任は自分にある。」と表明しているように思えた。
安田さんのギアはどんどん上がっていく。
それとともに、関ジャニ∞という責任をもう一回り大きく吸い込んだように思えた。
たとえば私にとって”Show must go on”の象徴である光一さんが、最初は少年隊さんの舞台に憧れて、ジャニーさんにプロデュースされて、途中から自身の表現をすることに舵をきった『Endless SHOCK』は今では日本を代表するミュージカルとなっている。
脚本・演出・作曲・振付など全てに彼の意思が入った舞台は、当初は尊敬するプロデューサーであるジャニーさんと解釈の違いから喧嘩をすることがあった。
それでも光一さんは表現を諦めなかった。
きっと安田さんも同じだ。
安田さんがあの日、”Show must go on”を選択した理由は、平凡に生きている私なんかには推し量ることもできないけれど。
この先、彼はきっと表現を諦めないだろうし、摩擦を恐れない。
現状をシビアに理解しながら、安田さんにとってのShowを、生きることを、表現し続ける方法を選んでいくだろう。
なんだかすごい人を好きになってしまったなと思った。
そして、なんだかすごいことを一緒に体験させてもらってるんだなとも思った。
こんな覚悟を、安田さんの人生を、身をもって表現することを見せつけられたら。
私は安田章大さんからますます目が離せなくなる。
これは安田さんを消費していないか?と不安になる気持ちもあるけれど。
なんて幸せなことなんだろうとも思う。
そんな気持ちを噛みしめながら思うことは、話してくれてありがとうということ。
ここまで7,000字以上もウダウダ書き連ねてしまったけれど、つまりは単純に私はあなたが好きですということ。
それを思い知らされたインタビューでした。
取材をしてくださった吉川さんや掲載してくださったTalking Rock!さんへも感謝を込めて。
あぁ、今日も安田章大さんが安田章大さんを生きている世界が最高です!
もっともっとRe:LIVEがたくさんの方に届きますように!*7
ENDRECHERIのサブスク解禁に寄せて
2020年6月17日(水)、ENDRECHERIがついにサブスクリプション解禁となった。
TwitterでENDRECHERIを検索すると、これまで興味を持っていなかった方やあるいはサマソニで気になっていたけど円盤まで手を出すのは…と思ってた方が何名かこの機会にENDRECHERIの音楽に触れていただいたようで、
「堂本剛、こんなカッコイイ音楽をしていたのか!」とか、曲はもちろんボーカル力と演奏力に「日本でこんなに贅沢なFUNKをしているバンドがあるのか!」と驚き、
熱の籠もったツイートをしてくれていることをENDRECHERIのファンは見逃さず、いいねとRT祭りになっている。
それが良いか悪いかは別として、私はこの数日の流れに剛さんの音楽がまた違う誰かに届いていっていることに感動していた。
そういえばサマソニに初参加となった2018年も同じような感想を何回かTwitterで見かけた。
当時も今も印象に残っているのは、「ジャニーズのファンはこんな贅沢な時間を過ごしていたのか」というようなニュアンスの感想。
私はKinKi Kidsさんと関ジャニ∞さんが好きで、自我が芽生えた頃からジャニーズ村にどっぷり浸かっているし、音楽に関してはPOPミュージックくらいしか聴かないような人間であるので、
音楽村にどっぷり浸かっている方からENDRECHERIの時間を「贅沢な時間」と言われたことはとても嬉しく思った。
私は常々アイドルはとても幅広いエンタメであると思っている。
アイドルは、CDを発売して、歌って踊ってステージでパフォーマンスをすることで私たちに笑顔と夢を与えてくれる。
そして活動の中でドラマや映画といった映像作品に出演したり、バラエティで楽しい時間をくれたり、舞台やミュージカルといった生のエンタメにも出演してくれる。
アイドルを応援していると、知らず知らずの内に幅広いエンタメに触れる機会が増えていくのだと実感している。
でもアイドルは「卒業」する。
私が密かに推していたある女性アイドルは卒業をするときに、「アイドルは幅広い仕事でいろんな体験ができるけれど、例えばドラマの仕事をさせていただいたとき女優さんや俳優さんというその道の"プロ”の方々と接した。私も何かの”プロ”になりたいと思ってしまった」と語っていた。
その言葉になんとなく納得をするとともに、同時に疑問も浮かんだ。
ーアイドルはプロではないのだろうか?
ここで断っておくと、私はKinKiさんと関ジャニ∞さん以外のほとんどのことはお茶の間程度しか知らない。
なので、とても狭い世界で見聞きしたことだけを書き連ねているということを念頭に置いて欲しい。
例えば堂本光一さんのミュージカル「Endless SHOCK」は、2000年11月帝国劇場で初演されて以降、毎年公演を重ね、日本の演劇大賞を受賞し、ニューヨーク公演も開催し、日本で一番チケットが取れないミュージカルと言われている。
そして2005年以降、そのステージは光一さんが脚本・演出・音楽の全てを手がけている。
堂本剛さんもソロ活動としてENDRECHERIを立ち上げ、精力的にアルバムやツアーを開催し、時にそのライブステージは薬師寺や平安神宮・東大寺といった神社仏閣でも開演され、新しい世界へ挑戦し続けている。
サマソニにも2年連続(正確には2017年から3年連続の予定だった)、稲妻ロックフェスにも参加され、単独ライブ以外にも活動の幅を広げ始めている。
こちらも、作詞作曲演奏など含めプロデュースは堂本剛さん自身だ。
ギター・ベース・キーボード・ドラムの演奏や編曲、映像作品のスイッチングなど興味の幅は広く、作品の中には「オール堂本剛」というものもあるし、時々ジャケ写すら自分で撮ってしまう。
彼らはそれでもアイドルである。
定義なんて人それぞれだと思うので、アイドルの定義が何かはわからないけれど、ジャニーズ事務所は「男性アイドルの事務所」なので、そこに所属して、グループとしても歌って踊るステージを見せてくれる彼らはやっぱりアイドルなのだと思う。(もちろん俳優部門の方もいらっしゃるけれど)
ジャニーズ内や世間の彼らへの評判は知らないけれど、彼らが最初からこんな風に自由にソロ活動をしていると思うだろうか。
もちろん、彼らの環境はきっと恵まれている。
誰と比べていいのかわからないけれど、自由だと感じる方がいらっしゃれば、きっとその方が思う「誰か」と比べて恵まれている環境なのだと思う。
けれど、例えば剛さんはここまで自由にFUNKという音楽を鳴らすまでに相当な時間を費やしている。
彼がソロデビューするきっかけは、本人曰く「You、ソロデビューしちゃいなよ」というジャニーさんの一言からだった。
それは誰もが与えられるチャンスではきっとない。そいいう意味でとても恵まれていると思う。
けれど、2002年『街/溺愛ロジック』でソロデビューする際、事務所の方からはさんざん否定されたと言っていた。
「男にモテそうな曲ではなく、もっと女性が喜ぶ曲を書きなさい」と。
ソロプロジェクトを進めていくにあたって、最初はアイドルのバックで演奏してくれるミュージシャンも集まらず、事務所の方や協力してくれるミュージシャンの方へやりたいことを何度もプレゼンし、そうして少しずつ少しずつ今の形へと進めていった。
最初から豪華なミュージシャンとともに自由にFUNKを鳴らせていたわけではない。
光一さんもジャニーさんプロデュースだったSHOCKを「俳優側として伝えたいメッセージがあるはず」と自身のプロデュースへと変えた。
その中でジャニーさんと表現の方向性で喧嘩をしたこともあったという。
それでもジャニーさんの名前をプロデューサーとして残し、ジャニーさんの名前を汚すことがないようにと自身のプロデュースする舞台を高めていった。
アイドルという世界にいて、別の現場(俳優や音楽などその道のプロの世界)に身を置くとき「所在なさ」のようなものを感じることがある人は少なからずいるのだろう。
アイドルの誰かを推したことがある方なら、推しが似たようなことを発言するのを耳にしたことがある方もいると思う。
アイドルは制限された世界だろうか。
そうかもしれない。ジャニーズだけとって言えば、ネットやSNS解禁になったのもつい最近だし、サブスクは未だに嵐さんだけ。
SNSも解禁とはいえ公式チャンネルだけだし、YouTubeでの動画公開も全グループではない。
錦戸さんも歌詞を書くときにある単語をボツをされたと言っていたし、安田さんはJAM LADYを書いたとき「こんな歌詞書いて大丈夫かな?」と思っていたと言っていた。
音楽という自由な世界で、アイドルが音楽をするときに自由にできない「制限」は確かにあるのかもしれない。
また日本のアイドルは低年齢の時からその世界に身を置くことが多い。
最初にその世界でパフォーマンスを披露するのはだいたいが10代ではないだろうか。
10代の頃からやりたいことが明確になっている人がこの世に何人いるのだろう。
パフォーマンスや活動を続けていく中で、徐々に自身の表現ややりたいことが明確になった時、アイドルの「制限」が不自由に感じることもあるのかもしれない。
その枠をとって自由に表現をしたくなることもあるのかもしれない。
挑戦したくなることもあるのかもしれない。
それはきっと悪いことではない。
その選択肢の一つに「卒業」や「脱退」があるのだとして、それを咎める権利はきっと誰にもない。
でもほんの少し、ほんの少しだけ。
私は剛さんと光一さんの顔を思い出す。
卒業や脱退が選択肢の一つであるなら、「事務所の中でやりたいことを挑戦すること」も選択肢の一つにないのだろうかと。
安田章大さんは言った。「ジャニーズ事務所内でブルドーザーのように道を拓いていきたい」と。
剛さんも光一さんも何年も十何年もかけて、やりたいことを形にしていっている。
その一方で身一つで外に飛び出し、勝負に挑む人もいる。
もしも「アイドルだからできないことがある」と考えたとき、世界を広げるためにその場から飛び立つのも自由だし、
その場で「やりたいこと」を形にするために「できないこと」と真っ向から話し合いを重ねるのも、私は自由だと思う。
どちらも自由だ。どちらも戦いだ。
この世界にはいろんな選択肢があって、自身が選んだ選択がどうなるかの結果はいつ出るのか分からないのだと思う。
明日すぐに出るかもしれないし、30年後かもしれない。
いずれにせよ、やりたいことを続けていくしか道はないのだと思う。
そしてやりたいとことをやるためにはやりたくないことも続けていかなければきっとやりたいことを維持するのは難しい。
どちらの選択肢を選んだとしても、その人生はあなたのもので、それを応援したいと思うか思わないかも私の自由だ。
きっとどちらの道にも苦難はある。
感情のままに書いているので言いたいことがまとまらないけれど、
ENDRECHERIさんの音楽がサブスク解禁となって手に取りやすくなり、音楽アカウントの方に「良い!」と言ってもらえたこと。
数人かもしれないけれど、これも挑戦し続けた結果の今なんだなと思う。
端から見たらとても小さなこと。結果とも言えないことかもしれない。
この程度なら事務所から出ればすぐ出来ると言われてしまうかもしれない。
それでも剛さんが事務所にいながらやりたい音楽を届け続けてくれている今日がとても嬉しい。
とても誇らしい。
ファンでいて良かったと思う。
だから、どの推しのどんな選択の先にも「推していて良かった」と思える未来が来るといいと思う。
もしも不快な思いをさせてしまったらごめんなさい。
長くなったし、言いたいことはまとまらないけれど、
最後にENDRECHERIの最新アルバム『LOVE FADERS』からジャニーさんが剛さんに残しただろう、そしてきっとジャニーズのアイドルの方々へ残しただろう言葉と、
ENDRECHERI☆ENDRECHERI名義の1stアルバム『Coward』からそれぞれ1曲ずつ、歌詞を書いて終わりにします。
「信じられないよ!!!
そんなの誰だって出来るよ!!!
もう最悪だよ!!!
個性は武器なんだよ!!!
魅力なんだよ!!!君以外の何者でもないんだよ!!!」
(Super miracle journey!!!)
「歌を歌って 泣いて 笑って あなたに愛していると云いたい
あたしたちはね歩んでいるの 一歩一歩と人生って道を」
YELLOW VOYAGEが爽快だった話
先に断っておきますが、私は音痴だしリズム感もないし音楽的な教養もなければ幅広くいろんなアーティストの曲を聴いていません。
ただの直感です。音楽的にはちょいちょい間違ったことを言っているかもしれませんがご容赦ください。
フォロワーさんにお勧めいただいて、先ほど星野源さんの『YELLOW VOYAGE』を拝見しました。
一言で言うと、
「すっっごく良かった!!」
です。
昔から鉄と感想は熱いうちに打て、と教えられてきたので、脳直の感想をツラツラと書き留めていきます。
ちなみにまとめる力がないので箇条書きで失礼します。
・オープニング。舞台セットが素敵だなと見ていたら耳を奪うアナウンスに「??!!」。なにこれ何が始まるの?ミュージカル?え?プロレス???というか、誰だっけこの声?
・あ、銀河万丈さん!!!????
・そ!れ!は!反則!!!!!
・ということで、万丈さんの声で一気にYELLOW VOYAGEの世界へ引き込まれ、船(飛行船かはたまた宇宙船か)に気がついたら乗っていました。たとえそこが自宅だろうが大阪城ホールだろうが、万丈さんが喋れば私たちは船に乗り込み強制的に閉じ込められた人である。声の人、すごい。
・とにかく1曲目の『地獄でなぜ悪い』これが最高なんです!リズムがとにかく心地よい。鍵盤が踊ってる~!イントロでこの曲、絶対楽しい!!!と直感に訴えてくる。
・で、その流れのまま『化け物』へはもはやリズムの暴力。躍動するマリンバ。楽しいしかないでしょうが!!
・『Down Town』にて「STOP!」で止まる時間。星野源さんへ増す信頼感。星野源さんは音楽でショーをしてくれる人だ。
・『地獄でなぜ悪い』~『ステップ』辺りまで聴いたところで、私の中には星野源さん好きだ・・・という感情が沸々とわいてくる。
・星野さんのパーソナリティをほとんど知らないのだけど、勝手に妄想すると、学生時代はスクールカースト上位を過ごしていなさそうな、メジャーでキラキラとした日常を送ってこなかった日々がありそうで、でもその日々を「なぜ悪い?」と誇りに変えてくれるような、そんな星野源さんの自尊心をここまでの曲で随所に感じてしまった。
・いや源さんのような素敵な人はカースト上位の日々を過ごしていると思うけれど・・・。でもそんな自尊心が、こうして私のような捻くれた心の持ち主にも居場所を与えてくれる気がする。好きだ・・・
・『ミスユー』のギターフレーズかな?時々、混じる雨のようなフレーズが心地よい。大サビから源さんの歌に呼応するギターが気持ちよい。出過ぎず、引きすぎず、絶妙なバランスで一緒に歌ってるみたい。(小2の感想)
・7曲目の『Soul』ですでにエンディングかな?と思わせるほど情緒が盛り上がる。
・『夢の外へ』!!!これは!関ジャムでセッションされたという幻の!!!(幻でもなんでもありません)「リズムが三拍子になるところはあなた次第です」と言われ、緊張するわたし。と、思ってたけど、楽しんで踊ってたら忘れてたな。「大阪~~~~!!」(ではないけれど)に、「は~~~い!楽しいでーーーーーす!!!!」と答えるわたし(ここは自宅)
・全体的に言えることだけど、ライティングワークがとても美しい。これは芸術。
・またまた楽しい曲が続く、『Crazy Crazy』。間奏カッコいいなぁ。ドラム!ギター!キーボード!語彙力!
・バナ・・・・・!??!?なるほどT-STYLE・・・(なるほどちゃう)
・(ちなみにここで母が部屋に入ってきました)(いたたまれない気持ちになったことをお伝えするね、源さん)
・うち・・・・?!??
・お祝いメッセージ、総じてカロリーが高い。
・カロリー高い後の『くせのうた』から始まる弾き語りコーナー。この緩急の付け方よ・・・。これは夢中になるわ。
・「寂しいと叫ぶには僕はあまりにもくだらない」源さんはどんな気持ちでこれを歌うのだろうか。1度では咀嚼しきれない。私はきっとこの歌を何度も聴いてしまう気がする。
・源さんの歌う『スーダラ節』は、バーで飲んでそうなおしゃれ感のあるのに、千鳥足で歩いてる帰る背中も見えて新しい世界でした。お父さんの背中が見えるね。
・弾き語りを終えて、幕を開ける『桜の森』。間奏のストリングスに衝撃。こんなカッコイイ使い方があるのね!音楽の世界は広い!
・『Snow Men』という最終兵器・・・。なんて綺麗な歌なのか。これは星野さんの中にある叙情詩なのかな。音のルーツがどこにあるのか探りたくなるな。最後の1音がとても良い。「終わりたくない」終わり方。
・歓声を浴びる星野源さんを見て、この人はアニメと漫画とプロレスが好きそうだなと勝手に妄想する(パーソナリティをほとんど知りませんが・・・)
・満を持しての『SUN』!!!ここは大阪城ホールでなく片田舎の自宅ですが、ダンスホールに変わった!楽しい!!!!
・『Week End』でオシャレに終わるかと思いきや畳みかける『時よ』。なぜか1曲目の『地獄でなにか悪い』にループしたくなる『時よ』。カッコいいな!
・ニセさーーん!!アンコールでなぜニセさん!?いやそれより、ニセさーーーん!!シュール!世界一シュールなメンバー紹介!!
・これがdon't think!feel!か・・・
・星野源さんのバンドメンバーさんはどうしてこうも色気のかたまりなのか。素敵です。好きです。
・ダンサーの皆さまの足が綺麗すぎて体育座りするときにドキドキしました。
・音楽が好きという感情が爆発してる最後のギタープレイ。最高でした!!
箇条書きで書き散らかしましたが、あっという間に駆け抜けた贅沢な時間でした。
とにかく1曲目で驚いてしまって、後で円盤に同封されていた冊子を読んだのですが、
その中で「ブラックミュージックを昇華したJ-POP」という一文がすごく腑に落ちました。
私は、恥ずかしながら推しの1人であるENDRECHERIさんによって「グルーブ」というものを初めて体感できたのです。
音楽的な才能どころか音痴でリズム感のない私なので、これまで曲を聴くときはわかりやすく歌詞やメロディにしか注目してきませんでした。
初めてENDRECHERIのライブを観たとき、最初はループする単調なリズムと歌詞のほとんどない世界に「???」となっていたのですが、
5分過ぎてくると徐々に身体が動き始め、10分後には身体が音に反応し出すというか・・・
上手く言えないですが、もしかしてこれがグルーブなのかな?と思える瞬間がありまして。
音を頭で楽しみがちな私が初めて音を身体で楽しめた。
違っているかもしれませんが、そういった経験を星野源さんの音楽からも感じました。
なので、「ブラックミュージックを昇華したJ-POP」はすごく腑に落ちたんです。
身体が踊り出すような心地よさと、初心者でも入りやすいPOPさ。
そしてなによりこの円盤を観て、解説を読んで、
「なるほどYELLOW VOYAGE!!!」
とイエローの意味がわかったときの爽快さ!
星野源さんはすごい!となった一日でした。
余談ですが、星野源さんが気になるという呟きからYELLOW VOYAGEを進めてくれたフォロワーさん、私のツボを理解しすぎていて震えている…
こういうのが好きってなぜわかったのですか……教えてくれてありがとう!!!!!!
関ジャニ∞さんの各コンビにKinKiさん楽曲を当てはめてみた
ジャジャジャジャーン(※無責任ヒーロー)でも傷つくし、幸せな歌でもKinKiが歌えば心中すると言われるKinKi Kidsさんの楽曲を、関ジャニ∞さんの各コンビニ当てはめてみようという、わたし(eighter※関ジャニ∞さんファン)の、わたし(図書委員※KinKiファン)による、わたし(eighterかつ図書委員)のための自己満遊戯。
・私の偏見と偏った知識に満ちあふれた選曲なので、異議も不満も大いに認めます。
・有名曲はほとんど出てきません。ファン以外は知らない曲ばかりですが各自検索してくださいという初心者拒否仕様です。
・関ジャニ∞さんのコンビ名がわからない場合は各自検索してくださいという初心者拒否仕様です。
・思いついた順に記載しています。他意はありません。
・比較的新しい時代の歌が多いのは、最近、ライブ円盤を見直していた影響が多大にあります。
・なんでも楽しめる心の広い人向き。
・長いです。
以上を踏まえてお進みください。
- ヨコヒナ 『ライバル』(F album )
「ジェラシーと呼べるほど 不確かなものじゃなくて
そこにあるのは ただ1度だけ咲こうとする花の幻影
今は全てが少しゆっくりと進むけれど
すぐに追いついて見せるって証明するよ
タメ年のライバル 君がいるから 僕がいるから 世界は変わる」
夫婦、相方、仲間、友達。どれも当てはまりそうで、どれも要素がどこか足りない気がする。
近い言葉は「腐れ縁」?
なので、村上さんが言う「一蓮托生」に思わず拍手しました。
隣というより背中合わせというか、おまえが右なら俺は左、先鋒と殿という感じもするけれど、どっちが先鋒でどっちが殿という立ち位置は決まってない。
お互いでそのときのグループで生き残るためにバランスをとりながら走ってきた感じ。
プライベートでべったりするのは嫌がるくせに、大切な時は一番最初に話しそうだなと思う。
ヨコヒナとはヨコヒナという生き物なんだという夢を見ています。
「君がいるから世界は変わる」。
- 倉安 『ウタカタ』(L album DISK LIFE)
「歩幅の大きさをそろえるように 駅を抜ける道を僕ら歩く
変わる景色 過ぎる日々 名残り惜しく振り向くけど 今 君がいる・・・・
重なる指がやさしくて 君のその手をつかまえて
連れて行くから 怖がんなくてもいいよ
濡れた地面に佇んで 飛び立つすべを知りたくて
くじけそうなら強がんなくてもいいよ」
Jr.時代から一緒にいて、同じ高校で学生生活を送り、同じグループでデビューして、大人になって交友関係が広がった今も、仕事もプライベートも大して区別せずに比喩でも何でもなく「だいたい一緒にいる」のを見ると心の底から「連れ」なんだろうなと思います。
デビュー前は同じ位置に立てずに葛藤していただろう大倉さんのそばにいた安田さんがいるから大倉さんはここにいて、
泣くほど怖かっただろう大怪我をした安田さんの背中を「頑張れ」ではなく「痛いときは強がらなくてもいい」と支えてくれた大倉さんがいるから安田さんはステージに立てたのかなぁ。
どんな季節のどんな場面の中にも「今 君がいる」。
- 山田 『ちがう道、おなじ空』(『夢を見れば傷つくこともある』C/W)
「君が君らしく、いてくれるだけで そう、ちょっと胸が高鳴って
分かってくれてる それだけで なぜか一歩前に踏み出せるのさ
また人を愛し、また人にキズついて 僕も今日を生きてる
でも、ひとりじゃない それだけでさ 遙かな世界が広がるんだ」
昔は我が強くて喧嘩っ早いメンバーが多い中で、気遣いのかたまりの山田は間に立ちすぎて時々自分の首を絞めていたのかなぁと妄想することがあります。
ツアー先でその日のホテルの部屋(2人1部屋)の組み合わせを決めるじゃんけんの時に、疲れていたから2人で示し合わせてこっそり1つの部屋に入っていったというエピソードは、山田を愛する一員としていつまでも忘れてあげない。
安田さん曰く丸山さんがメンバーに素を出せなくて「わだかまりがあった」時期や、
「優しさは時として人をダメにするよ」と丸山さんが安田さんに諭した時期や、
丸山さんの弱音を安田さんが車の中で黙って聞くような日々を超え、
ありのままの自分をそれぞれ出せるようになった今、前より一緒にいないけど、お互いがお互いらしくいられるのがちょっとした支えになってたらいいな。
「僕らだってやれるよって そうチューニングの合わないギターのように調子外れでいいんだ いくんだ」という『ノー・チューンド』(φ)とも迷った。
- 倉丸 『君と僕のうた』(『Time』C/W)
「君が笑ってくれるなら いつまでも話をしよう 結局 僕も笑顔になれてたり
些細なことで喧嘩をして 君にひどいことを言って 結局 僕も傷ついていたり
君の手は冷たいのに 凍みるくらい冷たいのに なぜこんなに心温かくなるんだろう
君がいるだけなのに そばにいるだけなのに なぜこんなに心支えられているんだろう」
ギャガーとゲラ。大倉さんの笑顔には丸山さんが必要で、丸山さんが丸山さんでいるためには大倉さんの笑顔が必要。
倉丸は2人しかわからない世界でずっと笑っていて欲しい。
どんなに大きなステージをこなして大きなグループになっても本番前には緊張で冷たくなる丸山さんの手を「今日も冷たいな」って握る大倉さん。
疲れたり、元気がない時の大倉さん専用の笑顔スイッチをそっと押してあげる丸山さん。
2人が元気だととても嬉しい。お互いがお互いを弟だと思っている倉丸の平和がこの先もずっと続きますように。
- ただよしんご 『Alright!』(『夢を見れば傷つくこともある』C/W)
「すりきれそうな気分を 笑い飛ばせる力を
乾いていくその声を 潤せる優しさを
大事にしてきたこと 絶やさないできたことを
思い出してみて欲しい ずっと近くにいたんだ
ちょっとずつ ちょっとずつ 君は積み重ねてきた
昨日という連続が 今日の君を作ってるんだ
You Can Make It Be Alright きっと辿り着けるさ 君はなにも間違っちゃいない」
「お腹減ったー痛いー怖いー」のヘタレ三拍子だった在りし日の大倉さんを叱って叱ってなだめて叱って今ではグループを引っ張る立派な若頭へと育て上げ、お母さんから飲み仲間へジョブチェンジを遂げるただよしんごの関係性。
歴史の話や経営の話で盛り上がったりするのを見ると、知識の興味の方向性が似ているのかなと思う。
ふたりとも地頭の良さを感じる。
最新アイテムに弱い村上さんのシステム面の面倒を見てあげる大倉さんのが好きです。
お互いを信頼し合って、甘え合ってる二人を見ると、「君はなにも間違っちゃいない」と僕は思う。
- Kicyu 『Tell me』(A album)
「Take Me To Your Heart ほんとの君を少しずつわかりかけてるよ
Show Me To Your Heart これからさ泣いたり抱いたり繰り返す
Tell Me To Your Heart なんだかずっとこのまま愛に慣れたくない」
近そうで近くない、遠そうで遠くない、似ていなそうで似ているところもあるけどやっぱり似ていない。
若かりし横山さんに気を遣っていた安田さんと、気遣ってるのがわかってイライラしてた横山さんが、長い年月をかけてお互いのちょうど良い立ち位置を見つけた結果、「強火安田くんファン」と「おにぃ」に落ち着いたKicyu。
照れ屋な横山さんにオープンハートな安田さんが甘えたふりして近づいていくのを見るとすごく温かいものをみたような気になる。
おにぃがたまにあげるオカキやヤスダヨーグルトなどのなんでもない日のプレゼント万歳。
まだまだお互い踏み込んでない領域もありそうだけど、ちょうど良い今の立ち位置が心地よさそうだったりもするので、この永遠の距離感を楽しんでいてほしい。『Destination』(G album-24/7-)とも迷った。
- You Can See 『たよりにしてまっせ』(A album)・・・嘘です『EXIT』(M album)
「結局 〈僕を〉 動かしたシンプルなアドバイス
〈それは〉シンプルな褒めコトバ 「君の思うままに」
Keep it up! それでいいんじゃない? 君が見つけたRoute
We need you! でておいで ありのままでいいよ
Keep it up! 軌道修正自在
You have a gift! 隠さず解放していいよ」
緊張してパニックになって上手くいかなくて落ち込む丸山さんを、叱って慰めて褒めて叱って、今では立派な頼れる4番打者、ジャニーズが誇るサイコフルギャガーに育て上げた村上さん。
そろそろ教育本が出版されそう。
村上さんは調教師であり開拓者。SとM、ボケとツッコミ。
でもSでありツッコミである村上さんが、楽屋や舞台裏ではっちゃけて丸山さんに構ってもらったり、気を抜いてゆるゆるになる村上さんを見てしっかりし始める丸山さんを思うとユキャンシの関係をこの先も全力でまもりたいオタク心。
後輩舞台をプロデュースした村上CEOが丸山さんへ指示した内容が「とりあえず来て」だけな信頼度を見ていると、お互いがお互いを「ほんまにたよりにしてまっせ」と思ってそう。
- パンパンダ 『心に夢を 君には愛を』(心に夢を君には愛を/ギラギラ)
「心に夢を君には愛を いつも忘れないように
めぐる季節の中でいつまでも君と二人で
雨が降ったら少し休もう きっとすぐに晴れるだろう
急がなくてもいいからゆっくり歩いていきましょう」
君と僕のうたを倉丸に捧げてしまったので、パンパンダはこちらに。
『憂鬱と虹』の「今日も憂鬱な空と虹の間に土砂降りが濡らしてく そんな日もそばにいてくれる 微笑んで ちゃんと僕はあなたのことを愛せてるかい?」も当てはめたくなる。
私は横山さんに「愛せてるかな?」とか「きみはどう思ってる?」とか訊かせがち。
4番バッター丸山さんが大好きで仕事でも楽屋でもとにかく「マル、何かやって」と楽しそうに振る横山さんと、横山さんには時々小悪魔を出して求められていることとは違うことをして振り回してみる丸山さん。
パンパンダの心に夢を、お互いに愛を与え合うような優しい関係を見てると温かい飲み物を飲んだ時のように心がホッとします。
- 雛安 『ヒマラヤ・ブルー』(K album)
「雲の壁が割れて 蒼い山が透ける あいつがヒマラヤだよね
君に見せたかった 無理にさらうように
綺麗な星の上で生きていると 教えてあげたい
綺麗な真水と空気さえあれば 電気なんかなくても ぼくら生きられる
自然のぬり絵に 今ぼくたちを描き加えてみる」
10年前くらい安田さんを怒らせたもつ鍋屋事件から年単位で食事の誘いを断られ続けた村上さん。
なにがどう解決したのかはわからないけど、今では、お互い「ヤスが引くなら給料の話をするのはやめよう」、「村上くんに怒られた時は本当にアカンとき」というお互いを正しさの指針に置く飲み仲間へジョブチェンジ。
天然親子の二人は、なにより心の根っこにある純粋無垢さが似ている気がする。
いつでもまっすぐに心配するし、だからふたりともまっすぐに気持ちを伝え合っていられる。
本音で生きてるふたり。お互いストレートで誠実で気持ちいいんだろうな。
まさに「綺麗な星の上で生きている」ふたり。『永遠に』と『全部だきしめて』とも迷ったけど、甘くなりすぎたのでさすがにやめた。
- アダイブ 『Tomorrow Agein』(L album DISK LIFE)
「そう誰だって思っているほどオトナになれない
羽が折れても 羽ばたきたがる あの日のTomorrow Again
となりにキミ 見上げた空に夢
欲張ればいい ためらえばいい そして拓く道」
グループ最年長で私生活でも長男な横山さんとグループ最年少で私生活では長男な大倉さん。美の暴力コンビ。
人に懐疑的とか、客観的な捉え方とか根本的な考え方やグループを引っ張る方法に似ているところが多いのかなと感じているけど、発露が真逆というか。
さらけ出せる大倉さんと強がる横山さん。
ここはグループの中で最年長と最年少という差があるのかな。
横山さんにとってマブダチすばるさんが、大倉さんの「カッコイイの2トップ」相手だった亮ちゃんがそれぞれ旅立って、あいつらに負けてられるかって羽ばたかなきゃいかない時、似てないようで似てるお互いがグループにいて、空には夢があるんだなぁと。ふたりが歩めば、道が拓くよ。
ここまでやってみてわかったのは、関ジャニ∞さん、お互いに幸せな関係が強そうだなぁということ。
これだけ悲恋や片想いや別れが多いKinKiさんの曲の中で、ここまで幸せな曲がかたまる奇跡・・・
無理やり好きな曲(月光とかMistyとかエンジェルとかテノヒラとかサマルェカダスとかMessageとか)を当てはめようとしたけど、「・・・違う。この二人はこんなに悲しい想いをさせたくない!もっと幸せ!」ってなる不思議。※個人の問題では?
まぁ、KinKiさんは2人とも声がマイナーで、どんなに幸せな曲を歌ってもどっかで悲恋を思わせる切なさがあっても、歌詞だけ読めば前向きな曲もたくさんあるんだぁと思いました。
あと気付いたのは、KinKiさんって恋の歌でもどこか男同士でも当てはめられるような余白がある。
私はこのふたりほどのアシンメトリーでシンメトリーなコンビを知らないし、ふたりが並んで立って歌えば、そこに物語を投影したくなるような、そんなふたりだから単純に恋愛の歌に見えないのかも。
これがKinKiマジック。
そして、関ジャニ∞さんには倒れそうな儚さより、「おまえが倒れるなら置いていくから立ち上がれ」とか「ずっと隣にいる」というようなそんな根っこの強さを感じる。
結局、KinKiさんにはKinKiさんの良さがあり、関ジャニ∞さんには関ジャニ∞さんの良さがある。
それぞれの良さが好きだから、私は図書委員でeighterなんだなと思いました。
~完~
【番外】怒られるシリーズ
- やすば 『銀色暗号』(φ)
「愛が時代に塞がれて 声失くしても 孤独の次に咲き誇る 笑顔捧げる
墜ちて 墜ちてく・・・あなたのすべてに
愛へと昇る・・・ 愛へと 成る。」
私はやすばを拗らせているので、「問い質さないで壊れるから」。
- ほほえみ 『the EDGE of the WORD』(φ)
「言葉は時として刃となって 大切な人に無闇に斬り掛かる
いっそのことわたしは貝になってしまいたい 言葉の刃を強く抱えながら」
正直、真っ先に思いついてしまって、すまないとは思っている。ちゃんと二人には優しさも尊敬もあったよ。
アイドルを消費する話
!注意!
これは病気といったとてもデリケートで個人的な問題に触れています。
また、彼らのすべてを知るわけではない一般のファンの記憶です。
偏った見方による意見が大いにあります。
事実はご本人しか知る由がないし、本人でない者が語るべきでもないことはよく分かっています。
これはただ気持ちの整理に書かせてもらいました。
なので、どうかこれを読んで「すべてがわかった」と思わないでほしいです。1個人の偏った意見だと念頭に置いた上でお進みください。
2020年6月1日、1人のアイドルが芸能界を引退した。
・・・正確には、「していた」ことがわかった。
はじめに断っておくと、私は現時点で安田章大さんのファンで、ドルオタとしての生まれと育ちは堂本剛さんであり、正直に言えば女性アイドルはお茶の間で応援しているくらいで、推しと言っていいほど私は彼女を推せていない。
ただ、TVやネットで活動をチェックして、「可愛いな」と思ったり、公式Twitterをフォローしたり、カラオケで彼女の曲を歌ったり。
総選挙で1位になった時は嬉しかったし、卒業する時は少し寂しくなって、仲良しの仲間との動画を見てゲラゲラ笑って、ドラマが決まれば喜んだ。
でもCDを買ったこともないし、ライブや握手会に行ったこともない。
推しとは言えない。
本当に彼女を推していた人にとってはとても失礼なくらいの熱量でしか彼女のことを知らない。
私はただほんの少し、彼女に興味がない世間の方よりほんとに1㎝くらい多く彼女のことが好きだなと思っているだけの人間だった。
現時点で発表されている彼女の芸能界引退の理由は健康上の問題らしい。
ちょうど前日、別のアーティストの1人が心身症により長年所属したグループを脱退したというニュースを見た。
ー健康上の理由
ー心身症
幼い頃から芸能界に身を置き、第一線で活躍されてきた方には、その方やその方と触れ合ってきた方にしかわからないことがあるのだろうなと思う。
とはいえ彼や彼女のことを良く知らない私のような人間が、ちょっとニュースで見聞きした程度の知識と感情で何かを書くのは、彼女や彼を大切に思う誰かを傷つけるかもしれないので、このことはこれ以上は書きません。
冒頭でも書いた通り、私のアイドル好きは堂本剛さんから始まっている。
小学生の時にドラマに出演していた剛さんを初めて見たときに雷に打たれ、そこからずっと夢中で彼を応援してきた。
デビューが決まった時、初めてCDを予約して買うことを覚えた。
個性が正反対の2人組の彼らは私が応援し始めた時にもすでにスターだったけれど、デビュー後あっという間に大スターになっていった。
クラスの女子が剛さん派・光一さん派で2分されたと言われるくらい彼らは人気で、事実多いときは週5~6本のレギュラー番組に、ドル誌やラジオなんかを加えるとレギュラーは数え切れないほどあったのではないだろうか。
それに加えて、ドラマも毎クールのようにどちらかが主演し、番宣でいろんなバラエティや情報番組に出させてもらい、新曲を出せば1週にとどまらず2~3週は歌番組に出ずっぱりだった。
年に1度必ずアルバムを出し、全国ツアーをしていた。
全盛期、「何年かぶりに年に3日も休みをもらえた」と歌番組で語っていたことを覚えている。
当時、私は与えられる供給のままに2人を応援し、キラキラした活動にワクワクし、日ごと更新される新しい情報に必死で彼らを追っていた。
光一さんも好きだったけれど、私は剛さんの歌声が大好きで。
それは今でも変わらない。繊細で壊れそうでどこか寂しさを抱えた声。
そんなガラス細工のような声とは反対に、TVでもライブでもニコニコ笑って、楽しそうにボケて。
やんちゃでお笑いが好きな堂本剛さんと繊細で大人しそうで王子様な堂本光一さん。
当時の世間の認識はこんな感じだったんじゃないかな。
いつの頃からだろう。
剛さんから笑顔が消えたのは。
俯くことが多くなった。
前髪を下ろしたり、人前で髪を弄ることが増えた。
バラエティや歌番組でもただ相づちを打つだけの日があった。
ライブ中に倒れそうな顔をしていた。
ステージに出られない瞬間があった。
初めは心配の声が多かったと思う。
あまりにも忙しい彼らだからハードスケジュールで体調を崩したのではないかと。
剛さんの体調があまり良くなさそうに感じられることが増えた辺りから、光一さんがMCを回したり、ソロで番組を持つようになっていった。
ライブでもバラエティでも、剛さんが笑えない日は光一さんが全力で私たちを笑わせてくれた。
そしてそれが何年も続くうちに。次第に剛さんへの叱責や批判の声が増えていった。
世間の声ではない。
それは私たちファンの中からの声だった。
「アイドルなんだからステージに出ているときは笑え」という。
当時は今のようにSNS時代ではなかったけれど、ファンブログやファンサイトで、時々そんな感想を目にすることがあった。
そしてそんな頃。
剛さんがライブ中に体調不良で倒れ、ステージから姿を消したことがあった。
コンサートの途中の日程だったと思う。
そのとき、初めて世間に剛さんの病気を公表した。
それまで剛さんが自身のソロ曲のタイトルにしたこともあって、ファンであれば知っていたことではあったけれど。
たぶん発症から6年くらいかかって、ようやく「世間へ」公表できた。
その公表より前に、剛さんが大きな過呼吸の発作を起こしてステージに立てなかった夏のドームツアー。
私はその次の公演に入っていた。
今でも覚えている。
開演前、近くの席のファンの方が「剛さんが1部で倒れたらしい」とか「腕に点滴の跡があった」とか「全然笑ってなかった」と心配そうに語っている中で、どなたかが呟いた、
「またかよ。」
そう、「また」だったんだよね。
何度も何度も。人前に出るたびに発作が起こるのに。
立ちたくなんてないだろうステージの上で、それでも剛さんは立っていてくれた。
殺人的なスケジュールに愚痴をこぼしながらも、何度も襲ってくる過呼吸に怯えながらも、そこにいてくれた。
大勢の目があることでパニックになって過呼吸を起こすという病気を持ちながら、何万人という人の前に、たった2人で立ち続けてくれていた。
2000年の夏。ライブ中に大きな過呼吸の発作が起きた。
2003年のツアー中。ステージ上で倒れて初めて病名の公表に至った。
後に、剛さんが「デビュー直後から数年間の記憶がない」とか「ずっと死にたい、死ねない、死ぬ勇気がないを繰り返していた」と語ったのを耳にしたとき。
私は自分がわからなくなった。
剛さんが好きで、大好きで。
元気がない時は心配で、笑っていてくれると嬉しくて。
過呼吸になって苦しんでいることはなんとなく知っていた。
知っていた。知っていたのに、そこに立ってくれていたから。
私はただ、剛さんを追いかけていた。
それはどれほど残酷なことだったのだろうか。
私はデビュー当時も2000年も2003年も剛さんが大好きだった。
私が剛さんを見て、「楽しい」とか「カッコイイ」とか「好きだな」という気持ちをもらっている数年間、剛さんは葛藤を繰り返し、病気と闘う日々だったんだろう。
笑えない日も多かった。
その日のコンディションによって、元気な時とずっと俯いている時があって。
ライブは毎回ルーレットみたいだって言われたこともあった。
そんな声、たくさん届いたんだろうな。
もしかしたら直接言われることもあったのではないかと思う。
私がただただ剛さんが好きだなと思っていた数年間、剛さんはずっと「死にたかった」と知った。
CD発売が決まればすぐに予約して、歌番組やレギュラー番組を録画して何度も見て、ドラマが決まれば毎週楽しみにリアタイして。
雑誌を買って、ラジオを聴いて。
KinKiさんや剛さんの活動は、私の日常の中の大きな楽しみや希望や喜びだった。
平凡な日常生活に輝きをくれるアイドルが、輝きをくれる裏側に死にたいほどの心の病を抱えていた。
私の「好きという気持ち」が、=アイドルの喜び、ではないこと。
アイドルとしてキラキラとステージに立つ人間にとって、必ずしもファンの「好き」が声援にはならないこと。
にも関わらず、私は堂本剛さんという人間をずっと消費していたということ。
私はこの事実を、剛さんが好きだという気持ちとともに、何年もずっと自問自答したり目を背けたりしていると思う。
今は当時と同じくらいの熱量ではなく、それでもライフワークのようにKinKiさんや剛さんの活動をのんびりと追っている日々だけれど。
その事実が今でも時々、胸を刺す。
こうやって誰かのニュースを聞いたときに。
まるで「忘れるな」と言うかのように、ぶり返す。
誤解がないように言っておくと、剛さんは別にファンに対してこんなことを一言も言っていない。
むしろファンをとても大切にしてくれて、寄り添う言葉しかくれない。
剛さんは現在、病気と付き合いながらステージに立ってくれている。
けして治ったわけではなく(なんなら難聴や膝の負傷まで抱えているけれど)、ご本人が死にたくなる気持ちを知っているからこそ、剛さんを応援するファンのそばに寄り添うように生きてくれている。
闘って、葛藤して、音楽に救われて。
自身の活動が、誰かの心の支えになれば良いと願いながら歌ってくれている。
そして彼が今もステージに立っている裏側には、いろんな方の支えがある。
中でも光一さんは、剛さんをずっと支えてきてくださったと思う。
KinKiファンの間で都市伝説のように語り継がれる「剛は俺が守りますから大丈夫です」という光一さんの発言。
確実なソースはわからないけれど、どうやらソロ活動が増え、不仲説が流れる中で、ソロコンの記者会見の時の質問に対しての返答らしい。
そして、剛さんが突発性難聴になった時の「ね、剛くん。頑張ろうね。」。
20周年のステージに立てなかった剛さんへ、1行でも2行でもいいから歌詞を書いてと渡した光一さんの曲。
光一さんの「守ります」が本当に言ったかどうかなんてどうでも良くて、今も剛さんがステージに立ってKinKiKidsでいてくれているということが、なにより光一さんが剛さんを守ってくれていたんだろうなとわかる。
そして剛さんは、なによりKinKi Kidsが、堂本光一さんが、二人を応援するファンが大好きだと思う。
それでも私は時々、立ち止まる。
彼らの活動に希望や喜びや楽しみをもらいながらも、その活動を消費することが彼らの心身のどこか深い部分を傷つけたりはしていないだろうかと立ち止まる。
そして自戒する。
私はアイドルを消費する人間であることを忘れるなと。
今現在、大好きな安田さんも怪我や病気を抱えてなおステージに立ってくれている。
2019年夏のツアーで見た安田さんは、ダンスもバンドも歌も、誰よりも全力で誰よりも熱かった。(少なくとも私にはそう見えた。)
何回かTwitterで書いたと思うけど、そのパフォーマンスはまるで命を燃やしているかのようだった。
その姿は、生き急いでいるようにも、すでに今生ではなく次生を見ているような達観さを感じることさえある。
そして安田さんの周りにも、「前向きなことが嬉しい」という横山さんや、「体調含めてや」という村上さんや、「リアルタイムにヤバイ時は言って欲しい」という丸山さんや、「やれることをやればいいよ」と言ってくれる大倉さんがいる。
彼らもまた言葉だけでなく、当たり前のように安田さんの身体を気遣って、意思を尊重してくれる。
今、目の前で活動をしてくれているだけで奇跡のような時間なのに。
それなのに私は彼らに「歌を歌って欲しい」とか「バンドがみたい」とか「舞台が見たい」とか、いろんなことを望んでしまう。
アイドルを消費していることに気付いてなお、まだアイドルを消費しようとする。
残酷で我が儘で欲深い人間だ。
でもだからといって、彼らの活動から与えられる喜びをスルーするのも違うのだろう。
そう、「愛を心配でスルーしないでね」と安田さんが言ってくれた言葉を免罪符のように噛みしめる。
どうあがいたってファンである以上、私はアイドルを消費する人間でしかないけれど、それでも願わくばこの先も好きなアイドルが自由に生きていてほしいと思う。
どこまでも我が儘な話だけど、その活動がどの未来に繋がっていたとしても、今、楽しみを与えてくれているのであれば、私はただ「今」を楽しんでいきたい。
本当はもっと自由に生きたいかもしれない。
本当は苦しみや葛藤があるのかもしれない。
私が応援することが、見たいと願うことが、苦しみに繋がってしまっていたらどうしようか。
時にそんな迷いを抱えながら、それでも安田さんも、剛さんも、大好きなんだ。
我が儘でごめんね。優しくなれなくてごめんね。
そう言いながら私はこの先もアイドルを消費していくのだろう。
なんて残酷で自分勝手な話だろうと思うけれど、それでもこう言いたい。
堂本剛さんも、安田章大さんも、私にとって最高のアイドルです。
だからどうか、この先も自由に楽しく生きていてほしいし、活動を見させていただけるならその範囲で今を全力で楽しんでいたいのです。
大倉さんのpersonを読みながら自分を振り返ってしまった話
以下、ご注意ください。↓
※大倉さんファンではなく安田さんファンという一ファンが一雑誌のインタビューを読んだだけで書いた感想です。個人の感想として広い心で捉えてくださいますようお願いします。
※メンバーの脱退等に触れています。見当違いはご容赦ください。
※TVガイドPERSON Vol.93(2020年5月発売)のインタビュー内容にガッツリ触れています。ネタバレされたくない方は、お控えください。
※無駄に長いです。急募:「簡潔にまとめる力」
2020年5月発売の『TVガイドperson Vol.93』を読みました。
私はeighterであり、安田章大さんのファンです。
安田さんがpersonに出られたのは、単独では3回(たぶん)
personには毎号、表紙を飾る人物へ「キャッチコピー」がつきます。
安田さんの1回目は、舞台『俺節』のPRの時。キャッチは「安田章大の覚悟」。
インタビュー時は公表していなかったけれど、髄膜腫という脳の手術をした直後に受けたのもの。
アイドルという人生の軸を安田さんとして見つめるきっかけとなった時期なのではないかと思っています。
2回目は、舞台『マニアック』のPR。
前年にメンバーの渋谷すばるさんが脱退すると公表され、
ほぼ同時期に(おそらく術後の後遺症により)自宅で転倒し腰と背骨の骨折を負い、
それでもツアーを進めるため病気と怪我を公表して挑んだ関ジャニ∞初の6人体制でのツアーを完遂した後。
もしかしたら自身の身体の事情と付き合いながら活動をしていくことに葛藤していただろう時期。
そして恐らく錦戸亮さんの決意を契機にグループの存続について話し合っていただろう時期。
そのインタビューでは「安田章大を生きる。」
3回目は、「安田章大は自由だ!」。
ジャニーさんというジャニーズ事務所にとってとても大きな存在の死、
メンバー全員がこの先の人生とアイドルというものと向き合い、
そして決まった錦戸さんの脱退を世間へ報告し、
5人体制になった直後の舞台「忘れてもらえないの歌」のPR時のインタビューのときのキャッチでした。
発売前からそのキャッチコピーの素晴らしさに内容を想像して心を躍らせ、
読了後は、安田さんのインタビューに対してpersonさんにいただいた言葉を噛みしめる。
自担がインタビューを受けた時期も相俟って、どれも私にとってとても思い入れの深い雑誌です。
(余談ですが、横山さんのコピー「挑む、戦う、横山裕」も素晴らしかった)
さて、私は安田さん最推しの関ジャニ∞のファンではありますが、
普段はほかのメンバーが単独出演した雑誌の多くは立ち読みで済ませてしまいます。(大変申し訳ない)
これは偏にお金と収納場所に余裕がないためです。(大変申し訳ない)
そんな私が今回の大倉さんの雑誌を買ったきっかけは、
・これまでの安田さんのpersonのインタビュー内容がとても良かったのと
・今回の大倉さん表紙のキャッチコピー「今、大倉忠義を突き動かすもの。」にとても興味を惹かれたから
というのが70%くらいの要因です。
残りは、コロナウィルス感染拡大防止によるSTAY HOME期間で立ち読みができなかったことが10%、親愛なるフォロワーさんのお言葉が20%です(どうでもいい内訳)
前置きが長くなりましたが、そんな経緯で読んだ「今、大倉忠義を突き動かすもの。」。
前半は主演映画『窮鼠はチーズの夢を見る』(公開未定)のお話、
後半は大倉さんらしい自分の気持ちに正直で、冷静で、根っこには熱いマグマと優しさがあることを感じられるインタビューでした。
そして読み進めながら、1つ気になったことがあります。
毎回素晴らしいなと思っているキャッチコピーは、
「自分を褒めるなら?」というご本人への問いかけへの答えをもとに考えられているということは横山さんのインタビューで知っていましたが、
その質問をした時の大倉さんの答えが「ない」ということ。
それは自分に褒めるところがないと卑屈になっているわけではなく、単純に「承認欲求がない」のと、
上辺でも本質でも褒められることが多いから「本質的に言ってくれるのは誰か?褒められたことで止まらず、次に何をすべきか?ということが大切なので」という話でした。
1安田さんファンであり大倉さんを殊更に追ってきたわけではない私なりにそれでも「なんか大倉さんらしいなぁ」と思いました。
(大倉さんファンはまた違う意見かも。ごめんなさい。)
そして同時に思い浮かんだ言葉があります。
世の中には結果よりも努力が大事って考え方もあるが、指導者にも生徒にもそれは本当に苦しいんだ。「がんばった」も「きつかった]も風のように流れてしまう。
「結果」は石なんだ。
「がんばった」を留めておいてくれる石。
大好きな漫画の中の台詞です。
眉目秀麗・頭脳明晰・運動神経抜群。努力家でプライドが高く、器用貧乏なカルタ部の真島部長。
はじめは主人公の幼なじみに付き合って始めた競技カルタでも記憶力と努力である程度までいくけれど、
主人公やもう一人の幼なじみが持つ圧倒的な才能にコンプレックスを感じている真島部長。
二人の世界に追いつきたくて、できる努力をすべて捧げて青春をかけてカルタに挑む。
そんな部長がカルタの実力者が集まる大会の東日本代表を決める決勝戦で圧倒的な才能を持つ主人公と対戦する、
その試合を見ながらカルタの師匠が話す言葉。
それを思い出したとき、ふと私にとっての「石」はなんだろうと考えました。
思い出したのは、4本のペン。
いずれも会社に入社してからいただいたものです。
1本目(ターコイズブルーのボールペン)と2本目(ピンクのシャープペンシル)のペンは、
入社後、事務職から総合職へ転換することを決断し、人事の面接を通って総合職へ配置転換となった時に。
新入社員の時にお世話になった上司と、当時の教育係だった先輩からお祝いにもらったボールペンとシャープペン。
3人で食事をしながら、二人から別々にプレゼントをいただき、それが偶然にも二人ともペンでした。
「あなたならやれると思っていたから、あなたが自ら総合職に挑戦してくれるのをずっと待っていた。大切なお客様との折衝時に使ってみて。」
というお言葉をいただきました。
3本目(パールホワイトの2色ボールペンとシャーペン)は、異動で業務内容が変わった時。
仕事関係で知り合って、奥様も含めてプライベートでも仲良くなってお食事会をする仲になった方からいただきました。
「異動して、新しいチャレンジをするみたいだけど、あなたは頑張る人だからきっと次の業務でもがむしゃらにやるんだろうね。」と。
4本目(諸事情により本体がなく、インクを代理に。本当はシルバーの万年筆)は、その新しいプロジェクトで一緒だった先輩から。
社内の数名で構成されたプロジェクトにおいて私は落ちこぼれでした。
最年少ということもありましたが、最初の研修で行った新しい業務の基礎知識テストでは最低点をとったりしていました。
物事の仕組みも理解しないまま、研修期間しか知識を吸収できる時間がないかもと必死で食らいついて、
講師の方や先輩が私の勉強に付き合ってくれたこともあり、
2ヶ月間の研修の最後のテストではメンバーの中で1番の成績をとることができました。
数日後の打ち上げで一番面倒を見てくれた先輩からいただきました。
「あなたのすごいところは、理解不足な箇所を自覚できているところと、それに対してわかったふりをせず、自分で咀嚼して次の日には深い理解にしてくるところ。
テストの点数で負けたので、お祝いにあげるよ」と言ってくれました。
私はこのペンを、仕事の中で「ここが勝負!」だと思う場面で使わせていただいています。
例えば契約書にご署名をいただくときとか、お客様へのプレゼン資料に手書きのメモを加えるときとか。
思えばどれも、これらのペンを使うときは結果を求めているとき。
社会人になってからの私にとって「石」はきっとこの4本のペンだと思います。
ペン本体も大切ですが、このペンとともにいただいた言葉にいつも勇気をもらっています。
なによりともに仕事をしてきた方々からいただいた言葉。
頑張りを見てくれる人がいるということ。
大倉さんは「承認欲求がない」とインタビューで答えていましたが、私はペンをくれた方々にいただいた言葉が嬉しかった。
尊敬する方々にいただいた言葉だからこそ。
自分の仕事を認めてもらえたようで。
だからこの4本のペンこそ私にとっての「結果」=「がんばったを留めておいてくれる石」なんだと思っています。
大倉さんにとっての「石」はなんだろう。
仕事の達成感や充実感を感じるときは、「喜んでいる人を見るとき」だと答えていました。
これは「石」だろうか?
先ほどの『ちはやふる』の言葉には続きがあります。
そして「結果」は集めるんだ。強い追い風を
「喜ぶ人がいる」は、大倉さんにとっては「石」ではなく「追い風」なのかもしれない。
これからの関ジャニ∞にとって、目標や夢へ向かっていくには「石」が必要なのは間違いないと思っています。
「5人の関ジャニ∞でも諦めていない」ことがある。
これは、『友よ』(※5人体制初のシングル)の特典映像でも、
今回のインタビューの最後でも大倉さんが語ってくれています。
それは「目標」や「夢」であり、それを叶えるにはやっぱり「結果」=「数字」=「石」が必要なんだろうなと思う。
数字という結果の世界で生きている彼らは、田舎の1社会人でしかない私のように「このペンが「石」なんです」とはいかないでしょう。
アイドルのファンをしながら、夢の欠片もないことを言ってしまうけれど、「石」はきっと数字。
それにプラスして、目標や夢に対して心がぐらついたときに「つかんでいられるもの」は「喜ぶ人がいること」だと教えてくれた。
喜ぶ人こそ目標へ向かうときにつかんでいられるものであるなら、それが彼らの「追い風」になるのなら、私はファンとして追い風でありたい。
それもできる限り強く。
彼らが夢や目標へ進む時に背中から大きな風を送ってあげたい。
いつでもがむしゃらに頑張る5人の「がんばった」を留めてくれる「石」に向かって、彼らがより力強く歩めるように。
強い追い風でいられるファンでいたいなと思いました。
そんなお話。
なんにせよ、personはとても面白かったので未読の方はぜひご購入いただきお読みください!